作曲家/ソロ・アコースティック・ギタリスト、南澤大介のブログです。
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南澤大介(みなみざわだいすけ):1966年12月3日生。プラネタリウム番組のサウンドトラック制作などを中心に活動中。CD付き楽譜集「ソロ・ギターのしらべ」シリーズ(2010年現在累計35万部)などの著作もあり。

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 「Hangover」終了(正味4日)。解説文が、予想よりかなり長くなる(前作「Color of Life」楽譜集の「Big Blue Ocean」程度)。本当は、楽譜なんて単なる指針に過ぎないから、読者の方々ひとりひとりが自分なりにいろいろ工夫して活用していってね…というのが私のスタンスなので、以前はあんまり解説文で多くを説明していなかった(ソロギ初期とか)。ましてこれは自分の曲ではなく押尾コータローさんの曲の楽譜集であり、もっともらしく「ここはこうだからこう弾きます」なんて解説しても、所詮は採譜者である私の推理/主観にしか過ぎないのだし(最終的に押尾さんがチェックするとはいえ)。じゃあなんで細かく解説するようになってきたか…というと、生徒にギターを教えるようになって、実地で感覚的に「細かすぎるくらい細かく解説したほうがいいのかなぁ」と思う場面がけっこうあったからなのである。

 …まぁ、急に解説のヴォリュームだけが異常に増大することはないので、ご安心を(ページ数的にも、異様に増えるような要素は無い予定。…全貌を把握しているわけではありませんが…)。

 明日からは「Buzzer Beater」。アルペジオのバラード→非ストローク系→ストローク系…と、ちょっとずつ作業が手間取りそうな曲に移行。というわけで、いつものようにイントロをちょこっとだけ採って、今日は終了。
 引き続き「Hangover」。採譜は昨日1日で終わり、今日はデータ入力。問題に気づいて部分的にリテイクしたり。小節の配置が難しい。リピートでまとめて2x、3xなどと付けるか、ヒラいて個別に記述するか…とか。

 制作上の一番のポイント…というか注意が必要な点は、意図や方向性がブレないようにすることである。たとえて言うと、小説の一人称で「私」や「俺」が混在しないようにする…みたいなものだろうか(違うか?)。例えば音符の棒や旗の方向。拙作「ソロ・ギターのしらべ」では、基本的にメロディは上向き、伴奏は下向きとしている。ただ、この書き方は必ずしも一般的では無いので、押尾さんの楽譜を作る時は意図的に違う切り方(たとえばベース音を下、その他を上…とか)をしているのだが、下書きの時点ではついクセでメロ/伴奏、のように切り分けてしまうことも(これは浄書の時にちょっと面倒)。

 いずれにせよ、「(意図しない)別の意味」が生じてしまうような、誤解を招きかねない複数の語法の混在は、避けるべきであるというのが持論。持論と言ったらジロン・アモス。
 楽譜を制作する上で、ソフトなどにいろいろ問題がある。たとえばFinaleでは、起動時にソフト音源のプラグインを読みに行くのだが、普段使っているソフト音源の波形データは外付けハードディスクに置き、作曲の仕事時以外は繋いでいないため、Finaleを立ち上げるたびに波形データの場所を尋ねられ、ちょっと鬱陶しい。サポートで教えて頂き、ライブラリ>Audio>Plug-Ins>Components 内の「●●●.component」を別フォルダに待避させ、読み込まないようにして起動している。もっとも、戻し忘れると今度はDigital Performer側でエラーが出るので注意が必要。ほんとはFinaleにプラグイン読み込みのオンオフがあると、便利なのだが…。

 また、Finaleで書き出したEPSをillustratorで開くと、コードネームやTAB譜の数字、まれに音符が“ひとつの文章”と認識され、つながったデータで書き出されてしまう不具合があり(mac OSXの問題のようで…困ったものです)。完全な回避方法がないので、たとえばFinaleでコードネームを打つ時に、ただのメジャーコードでも「C1」とか「G1」というように数字を付加しておいたりしている(ちょっと面倒)。

 というわけで「My Home Town」解説も書き終わり、作業終了。次は「Hangover」を開始。仕事終了直前にほんの少しだけ始めておくと、翌日「イチからスタート」ではなく「続きから」感があって、仕事しやすいのである。
 今日は本来パン・スクール・オブ・ミュージックの学校説明会が入っていたのだが、希望者のキャンセルにより無しになる。これなら友人の結婚パーティーを優先すれば良かったかも(江草くん、行けなくてごめんね&結婚おめでとう!)。

 …というわけで、昨日に引き続き、「My Home Town」浄書作業。illustrator(ver.10)で、さらに見た目を整えて行く。Finaleは感覚的にエディットするのが難しいので(あくまで主観ですが)、あえてillustrator上でタイやスラーを付けたり、記号のサイズ変更、線幅の変更、コードネームの付記などを行う。よく使う動作(特定の距離だけ移動、とか、アウトライン化してレイヤー統合、とか)はアクションのセットを作ってあり、また自分でカスタマイズしたショートカットもいろいろある(バウンディング・ボックスとかスマートガイドなど)。ちなみにillustratorはCSも持っているのだが、テキストデータの持ち方が違うのに慣れないため、未だにver.10を使っている。

 楽譜(五線譜+TAB譜)が完成したら、次はダイアグラム譜。もともとは2005年の押尾さん「Panorama」楽譜取材時に、参考になるかな…と勝手に作っていったものなのだが、解りやすいのでこれも収録しましょう…ということになり、以来「Blue Sky」「Color of Life」楽譜でも作成している。実は「ソロ・ギターのしらべ 」と同じ、自作のテンプレートを使用。

 この日はダイアグラム譜のAメロまで作業して終了。ちなみに下図は、illustratorでの作業用ツールキット(押尾さん楽譜用)。ここから記号をコピーして貼り付けていったりする。

ツールキット
 とりあえず自分の作業カンを取り戻すため、シンプルな「My Home Town」から採譜を開始。この曲の作業ペースを、全体のスケジューリングの指針とする算段(曲にもよるが、データの完成まで正味2〜5日程度の見込み)。

 以前、掲示板でご質問をいただいていたこともあるので、ちょっとだけ詳しく制作手順を紹介すると、おおまかには(1)採譜→(2)浄書→(3)解説、の順で作業。で、1曲終えたら次の曲に(そうしないと、気づいたことを忘れてしまうので)。

 というわけで、まずは採譜。音(CD)と、取材時にシュートした手元の映像を見ながら、Adobe社のillustratorで自作した五線+TABの用紙(A4)に、手書きで楽譜を書いていく。ちなみにペンはPIGMAの0.5をハコ買いし、少し痛んだらすぐ二軍行き(日常で使う)。ペンが書きやすいと仕事もはかどる…かも(作家さんみたいだ)。音は、CDプレーヤーではなくパソコンで再生。私の場合は、普段作曲でも使っているシーケンス・ソフトDigital Performerを使う。部分的に繰り返し聞くことも多いので、そういう操作が一般のCDプレーヤーよりも行いやすいのがポイント。他にも、ボタン1つで半分の速度になるので(音程もオクターブ下がる)、高音域の早いパッセージを聞き取るのに有効。また、データの波形を短く切ってループすることで、構成音(=鳴っている音)の判別に使うことも。だいたいのリハーサル・マークをマーキングしておくことで、たとえば曲のAメロと、くり返した後のA2とかを比較するのも簡単。ベース音が判別しづらい時には、サンプリングレートを変えて波形を書き出すことにより音程をオクターブ上げることができる(速度も倍になるが)。

 この手書き楽譜が“原稿”ということになるのだが、実際にはこの後の浄書作業でいろいろ手を加えるので、この原稿をベースに校正を進めることはできないのである(このあたりは、自分一人で採譜から浄書までやっている強みでもあり、いい加減なところでもある)。ともあれ、「My Home Town」はアルペジオで採譜しやすく、数時間で終了(後日詳しく書くが、複雑な曲だともっと時間がかかる)。

 採譜が終わると次は浄書。ここからは、私の「ソロ・ギターのしらべ」の楽譜制作手順とほぼ同じである。さきほどのDigital Performerを使い、ピアノの音で鍵盤を弾いてデータを記録していく(ちなみピアノは、軽さが魅力のModartt社Pianoteq)。音符の棒や旗の方向で2つのパートに分割した曲をゆっくりしたテンポで手弾きし、クォンタイズで整える(というか、Digital Performerではインプット・クォンタイズを使用するので、弾いてるそばから整っていく)。それをスタンダードMIDIファイルに書き出し、楽譜作成用ソフトウェアFinaleで読み込む。

 Finaleは2006。2004をしばらく使っていたのだが、illustratorにデータを持って行く際のコンバーター(3つ)が不要になるとのことで、アップグレード(といっても2年前)。スタンダードMIDIファイルを、クォンタイズ設定に注意してインポートし、自分で作ったテンプレートに貼り込む(旗・棒が上な音符はレイヤー1、下はレイヤー2)。見た目を整え、ストローク記号やネイルアタック、テヌートなどの記号類を付け、コードを付けて、EPSファイルに書き出し、それをillustratorに持って行く。

 illustratorでも、自分で作ったテンプレートに、Finaleで書き出したEPSを貼り付けて作業開始。…というところで、1日目は終了。
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